アドレスホッパーとは?仕事内容やノマドワーカーとの違いについて解説

アドレスホッパーとは?仕事内容やノマドワーカーとの違いについて解説

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アドレスホッパー」をご存じでしょうか。価値観・ライフスタイルの多様化が進む昨今において、「アドレスホッパー」という働き方・生き方がいま注目されています。

何のしがらみのない自由な生き方を実現できるアドレスホッパーにはメリットが多い反面、デメリットもあり簡単にはなれるものではないと言えます。

そこで本記事では、そんな「アドレスホッパーとは?」をテーマに仕事内容やノマドワーカーとの違いなどについて解説いたします。アドレスホッパーになりたい方はぜひ参考にしてみてください。

アドレスホッパーとは?

アドレスホッパーとは、特定の住居・住所を持たずにホテルや旅館、民泊・ゲストハウスなどを活用し、全国各地を転々としながら働き、生活する人々や生き方を指します。

「アドレス(住所)」を「ホッピング(転々と)」するという意味から、「アドレスホッパー」と呼ばれています。

テレビをはじめとしたマスメディアに数多く取り上げられた影響もあって、若者の間で今話題となっており、中には若い女性のアドレスホッパーもいるようです。

一方で、アドレスホッパーに対しては賛否両論で「住所はどうするのか?」「ホームレスでは?」などといった否定的な意見もつきまとい、SNS上で議論されています。

基本的には、フリーランスやIT系の職種に就いている人が、アドレスホッパーに多い傾向にあります。資金的な余裕があり、毎日会社に出社せずに、さまざまな場所を転々としながらパソコンで仕事を完結できるためです。

リモートワークの普及に伴い、ここ数年で定額制の※コリビングサービスが登場したことも、アドレスホッパーの追い風になっています。

※コリビングとは、複数の人が暮らすシェアハウスと、さまざまな職業の人が一緒に働くコワーキングスペースが一体化した施設のこと。

ホームレスとの違い

住居を持たないと聞くと「ホームレスでは?」と思われる方も多いことでしょう。確かにアドレスホッパーもホームレスも「住居を持たない」という部分では共通しています。

ホームレスと異なりアドレスホッパーは定職に就いているか、あるいはフリーランサーであり、毎月の安定的な収入があるという点と全国各地を転々としている点が、両者の大きな違いになります。

仕事の形態行動範囲
アドレスホッパー正社員あるいはフリーランス広い
ホームレス無職あるいは日雇い労働狭い

そもそも各地を転々とするためには、金銭的な蓄えがあるか、安定した収入がないと実現できません。

このように、アドレスホッパーとホームレスは「住居を持たない」ことは同じですが、その他は根本的に違うと言えます。

ノマドワーカーとの違い

アドレスホッパーと似たような生き方・働き方を表す言葉に、「ノマドワーカー」があります。

「ノマド」という言葉は英語で「遊牧民」を表し、そのスタイルはアドレスホッパーと似たような点が多いと言えます。

ノマドワーカーは、カフェやコワーキングスペースなど、さまざまな場所で仕事を行い、オフィス以外の場所であればどこでも働ける点に関してはアドレスホッパーと共通します。

一方で住居が有無という点について、両者は異なります。

住居の有無行動範囲
アドレスホッパー無し広い
ノマドワーカー有り狭い

ノマドワーカーも各地を転々としながら働くものの、その他は一般的なサラリーマンと同様に帰るべき自宅を持っています。

ところが、アドレスホッパーは住居そのものを持っていないため、そもそも「帰宅」という概念が存在せず、常にどこかに外出している形になります。

アドレスホッパーは、自由度がより増したノマドワーカーの発展形と定義もできます。

アドレスホッパーのメリット・デメリット

アドレスホッパーのメリットとデメリットについて具体的にそれぞれを見ていきましょう。

メリット

まずアドレスホッパーのメリットとして以下の点が考えられます。

  • 家賃や光熱費などの費用を削減できる
  • 自分の好きな場所に行ける
  • 人とのつながりが増える

1点目は、家賃などの固定費を削減できることです。

住居を持たないため月々にかかる家賃や光熱費などの生活費をカットできます。住居を持つということは、他にも火災保険に入ったり、家具を揃えたりと何かとお金がかかります。アドレスホッパーになることで、それら一切の費用を省くことができます。

2点目は、住居を持たないことで生活拠点という概念に縛られる必要がなくなり、自分の好きな場所に自由気ままに赴くことができるという点です。毎日帰宅するという固定された概念がなくなります。

3点目は、人とのつながりが増えるという点です。リモートワークが浸透した昨今では、自宅に引きこもりがちですが、アドレスホッパーになり常に外出している状況に身をおくことで、次々と他人との新しい出会いの期待ができます。

デメリット

上記のようなメリットがある反面、以下のようなメリットが考えられます。

  • 郵便物の受け取り(住民票の問題)
  • 宿泊場所を常に探し続けなければならない
  • 宿泊や移動にお金がかかる

1点目は、郵便物の受け取りをどうするかという問題です。同時に住民票をどこに置くかについても問題となります。何にしろ必ず住所は不可欠となるので、実家に住民票を置くなどの措置が必要です。

2点目は、宿泊場所を常に探し続けなければならないということです。宿泊場所の問題に関しては、前述した定額制のコリングサービスを利用することにより、その労力を省くことが可能です。

3点目は、移動や宿泊にお金がかかる点です。自宅がなくなり家賃が不要になる一方で、その代わりとして宿泊施設に泊まるため、宿泊費用が発生します。もし高クオリティの宿泊施設ばかりに毎日泊まっていると、毎月家賃を払うよりもトータルで割高になる可能性があります。また、当然ながらその宿泊施設に行くまでの交通費も発生します。

アドレスホッパーに多い仕事(職業)

アドレスホッパーが実際にしている仕事には、例えば以下のような職業が挙げられます。

  • Webマーケター
  • Webデザイナー
  • Webディレクター
  • Webエンジニア
  • Webライター

要するにWeb(オンライン)で仕事が完結する職業の人がアドレスホッパーになる傾向が高いです。

これは、住居を持たず、さまざまな場所を転々として生活しても仕事に影響がなく、場所を選ばずに完結できるためです。Web関連の仕事は、会議はすべてオンラインで済み、実務的な作業や何か成果物を納めるといった際もオンラインで完結します。

その反面、毎日同じ場所に通勤しなければならない、対面で固定した人と会わなければならない、営業職で活動エリアが定められているという職種の方は、アドレスホッパーに不向きと言えます。

もちろん上記の職種は、あくまでアドレスホッパーを実現しやすい職種であって、絶対ではないため、他の業種・職種の方でも条件が揃えばもちろんアドレスホッパーになることは可能です。

リモートワークの普及でアドレスホッパーは今後さらに増える?

デジタルシフトが進んだ社会において、アドレスホッパーのような存在が生まれていくことは必然と言えるでしょう。リモートワークの普及もあり、今後アドレスホッパーになる人はさらに増えていくのでは予想されます。

価値観やライフスタイルが進化して多様になる昨今においては、アドレスホッパーも多くの方の新しい生き方の選択のひとつとなり得るでしょう。

今はまだ賛否両論や課題はあるものの、定職に就いて収入も安定し、オンラインで全ての仕事が完結するのであれば、全国各地を旅しながら転々とする生活も悪くないのかもしれません。

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