「限定正社員」とは?「正社員・契約社員」との違いやメリット・デメリットを徹底解説

「限定正社員」とは?「正社員・契約社員」との違いやメリット・デメリットを徹底解説

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近年、働き方改革のひとつとして「限定正社員」と呼ばれる新しい雇用形態が注目されています。

一般的な「正社員」や「契約社員」「アルバイト・パート」とは異なる限定正社員は、具体的にどのような雇用形態なのでしょうか?

今回は、そんな気になる「限定正社員」の概要やメリット・デメリット、他の雇用形態との違いについて徹底解説していきます。

限定正社員とは?

限定正社員とは、「職種」「勤務地」「勤務時間」などのいずれか、あるいは複数の働く上での条件を限定した正社員のことです。

  • 職種限定あり
  • 労働時間限定あり
  • 勤務地限定あり

上記のような限定された範囲内で業務を担い、限定条件以外の部分については通常の正社員と何ひとつ変わらない社員のことです。

限定することによって職務が明確化されることから、限定正社員は「ジョブ型正社員」とも呼ばれています。

プライベートな事情などで、労働時間や勤務地(転勤や単身赴任が難しい)など、働く上で何かしらの制約がある労働者に適した雇用形態として、限定正社員はいま大きな注目を集めています。

限定正社員が注目されている背景

なぜ、そこまで限定正社員が注目されているのか?その背景から見ていきましょう。

ライフスタイルの多様化

限定正社員が注目されている背景として、第一にライフスタイルが多様化していることがあげられます。

ライフスタイルが多様化したことで、労働者のワークライフバランス確保へのニーズが急増し、同時に企業側の人材不足のニーズへの対応の必要性に迫られた結果、「限定正社員」という形態が誕生しました。

例えば、

  • 居住地から通勤が可能な範囲に限定
  • 営業職に限定、経理職に異動することがない、職種の転換がない

などといった形でさまざまなタイプの限定正社員が考えられます。

いざ働くとなった際に、従来は「正社員」「契約社員」「派遣社員」「アルバイト・パート」の選択肢しかなく、さまざま事情で制約を抱えている労働者は、やむを得なく正社員以外の非正規雇用を選択するしかありませんでした。

ところが、上記のように労働条件を限定することで、労働者側と企業側の両方のニーズへ柔軟に対応ができるわけです。

専門的な職種へのニーズ増

さらに他の背景として、専門的な職種へのニーズが増していることが挙げられます。

ひとつの職務や職種を専門として限定することで、長期にわたって経験を積むことが可能となり、プロフェッショナル人材の育成を目指すことができます。

これについては、特にデジタル化普及によってIT系の職種の人材ニーズが増していることが関係しています。

「限定正社員」と「正社員・契約社員」の違い

「限定正社員」と「正社員・契約社員」では具体的にどう違うのかを見ていきましょう。

正社員との違い

限定正社員は「労働の制約が弱い」「環境の変化を気にせず働ける」という点が、正社員との大きな違いといえます。

一般的な正社員の雇用契約では、転勤や職務の変更、労働時間に関しては就業先の要請を受け入れる形となりますが、限定正社員の雇用契約ではこれらの労働条件を限定しているため、その限りではありません。

要するに限定する条件があるかどうかが大きなポイントになります。そのため扱いとしては正社員と何ら変わらず、責任の伴う業務であっても限定正社員に任せる企業もあります。

また、限定正社員は正社員であることがベースのため、雇用期間に定めもありません。

ただ、限定条件の代償ではないですが、給与・待遇面で「限定正社員」と「正社員」の差を設けている企業も多いようです。

契約社員との違い

契約社員との大きな違いは、雇用期間に定めのある「有期雇用」か雇用期間に定めがない「無期雇用」という点です。

契約社員のような非正規雇用は短期的な雇用を目的としており、有期の雇用契約であり、給与の形態も正社員とは異なります。

限定正社員のメリット

限定正社員として働くメリットとして、以下のような事項が挙げられます。

  • プライベートと仕事の両立が可能
  • 安定した収入を得られる
  • 精神的な負担が少ない
  • 才能を活かしたキャリアアップができる

プライベートと仕事の両立が可能

限定正社員は、転勤や残業を避けてプライベートと仕事を両立しながらワークライフバランスを重視して働けます。

例えば、子育てや介護などのプライベートな事情を抱え、働ける時間に制約がある方に適した働き方といえます。プライベートを大切にしながら正社員として仕事ができるというわけです。

また、副業を行う場合においても、本業での労働時間を抑えられるので、副業に注力する時間の確保が可能になります。

安定した収入を得られる

限定正社員は、正社員と変わらず「無期雇用」がベースとなるため、安定した働き方を実現できます。

契約社員や派遣社員、アルバイト・パートといった非正規雇用の場合、雇用期間が定められており、契約更新に至らないことが多々あります。

一方で、限定正社員はそのような心配がありません。毎月安定した収入をしっかりと得られ、昇給に関しても正社員と同様に設定されているケースも多いです。

さらに、非正規雇用と比較すると福利厚生が充実しているのも限定正社員のメリットです。

精神的な負担が少ない

限定正社員は、通常の正社員よりも精神的な疲労を感じにくいのがメリットです。正社員であればさまざまな制約があり、責任が伴う仕事が多いことでしょう。

強い責任感によって労働者が自発的に残業を行う機会が多くなる可能性があります。

一方で、限定正社員はこういった精神的な負担になることが少なく、心理的な余裕を持って仕事に臨むことができます。

才能を活かしたキャリアアップができる

自身の才能を活かして働けることも限定正社員のメリットです。職務限定の正社員であれば、才能を活かして担当業務の専門性を高めることができます。

専門的な知見やスキルを有しておくことで、転職の際に同種の仕事に就くことができ、専門性に見合ったスキルアップを図れます。

また、長期的に働くことで、非正規雇用と異なり安定したキャリアの形成を行えます。その領域のスペシャリストとして経験や知識の習熟ができるため、キャリアアップしやすくもなります。

育児や介護などで忙しく、両立しながら働かざるを得ない人であってもキャリアアップのための必要なスキルや資格を習得できます。

また、勤務時間を限定する場合には、キャリアアップのための勉強に充てる時間を多く取れることもメリットです。

限定正社員のデメリット

限定正社員として働くメリットが多い半面で、デメリットもあります。以下に具体的なデメリットをピックアップしました。

  • 正社員より収入が低くなる可能性がある
  • 同じ仕事が続くためマンネリ化しやすい
  • 昇進のスピードが正社員より遅い
  • 契約した職種や勤務地がなくなることがある

正社員より収入が低くなる可能性がある

企業によって異なりますが、通常の正社員よりも限定正社員は給与の水準が低めに設定されている場合があります。

職種や勤務地、勤務時間が限定されていることから、担う業務の幅が狭くなりやすいというのが主な理由です。

また、単純な業務であればジョブに対して給与が設定されるケースが多いため、給与も上がりにくい傾向にあります。

もちろん、企業によって雇用条件は異なりますが、やはり現実的にはさまざまな条件変更に対応できる正社員の方が給与・待遇面で優遇されやすいようです。

ただし、高度な専門知識を要するプロフェッショナル職に関しては、市場的な価値や経歴・スキルに給与額が依存するので、たとえ限定正社員であっても、必要とされる人材であれば給与が低く抑えられる心配は低いと言えます。

同じ仕事が続くためマンネリ化しやすい

「勤務地限定の正社員」や「職務限定の正社員」の場合は、毎日同じ場所で同じ業務を行う可能性が高いため、マンネリ化することがデメリットとして考えられます。

特に「仕事の幅をさらに広げたい」「新しいことにチャレンジしたい」と考えた場合、転職することがなく、所属企業内で希望をかなえることが困難なのが限定正社員のデメリットといえるでしょう。

昇進のスピードが正社員より遅い

限定正社員は、通常の正社員より昇進スピードが遅いと言われています。特に総合職重視の大企業においては、その傾向が顕著となっています。

ただし、これはあくまで一般論であり、企業によって人事評価方法はまちまちと言ったところで、成果に基づくきちんとした人事評価であれば、たとえ限定正社員であっても成果を出すことで昇進していくことは可能です。

特に、専門的な領域で個人のスキルや力量を磨いて、それが企業側に認められた場合には、限定正社員であっても通常の正社員より早く昇進できる場合もあります。

契約した職種や勤務地がなくなることがある

勤務地を固定して雇用契約を結んだ場合や、職務を限定した場合は、経営上の理由による事業縮小から、勤務地や業務の消滅に伴って失職する可能性があります。

通常の正社員の場合、人事異動などによって新しい勤務地や職務を得られますが、限定正社員は職種や勤務地を限定されることで、解雇の対象になってしまう可能性があります。

限定正社員は今後、普及していくのか?

昨今では、個々のの意思がが大いに尊重される時代です。

ライフスタイルの多様化、デジタル化による働く環境の変化に合わせる必要があるため、限定正社員は今後、さらに普及していくと予想されます。

企業のみならず、政府による限定正社員制度の導入推進もその後押しとなることでしょう。

まとめ

以上、今回は「限定正社員」の概要やメリット・デメリット、他の雇用形態との違いについて徹底解説しました。

限定正社員のような働き方の選択肢が新たに増えることは、非常に素晴らしいことではないでしょうか。

この記事が、働き方を考える上での参考になれば幸いです。

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